文系がIT企業に務めて 4月27日
本日の業務が終わった。
毎日毎日私の頭に浮かぶのは区切りだけだ。業務前にはあとどれくらいで休日なのか、午前中には昼休憩までの時間、午後は退勤までの時間。これを繰り返す。繰り返した先には給料日が待っている。そしてまたこれを繰り返す。こうやって人生というものは回っていくのだろうか。言葉にならない虚無感に襲われる日々である。
ところでこの世界では”仕様書通りに完璧に作ること”が至上命題として掲げられている。文系の中で曖昧なものを何とか様々な技法を使って分析し、それでもなお曖昧なそれを”人間らしさ”と呼んでいた生活とはあまりにかけ離れている。私はこの生活が好きだった。
向いているか向いていないかを問う前に門前払いを喰らいそうな人間が今IT企業に務めている。私より向いているであろう人間がごまんといるこの世界で私は働かなくてはならない。”後悔先に立たず”とはこのような状況を指すのだと身を持って痛感した。